森の教室・資料


◆田舎暮らしが心理面に及ぼすプラスの効果を学びます。
希望する方のみが対象で定期開催ではありません。専門機関や企業での講義担当経験者です。
効果が実証されているものだけを対象とし擬似科学的な理論はできるだけ除いています。
以下は配布テキストの要約抜粋です。

1/fゆらぎ

◆癒しの函数ゆらぎ
1/fゆらぎとは、ゆらぎ(密度や力が平均値から時間の経過とともに微妙に乖離変動する現象)の一種です。
1/fゆらぎは、ゆらぎの中でも強度が周波数fに反比例するゆらぎで、別名ピンクノイズとも呼ばれています。
この波長が心の癒しになると言われています。

1/fゆらぎの代表的なものには、波の音、小川のせせらぎ、風、木漏れ日、太陽光、蛍の光などがあげられます。また、人間の脳波のリラックス時に優勢になるα波や、眼球の動き、心臓の鼓動も1/fゆらぎです。
1/fゆらぎに接すると、リラックスを示すα波の脳波が優位になったり、血圧が下がるとも言われています。

1/fゆらぎは実業界でも応用されています。扇風機の送風に1/fゆらぎが利用されている等が有名です。

ただし、家電製品・環境音楽CD・照明等の商品のキャッチフレーズとしてよく使われていますが、人体に与える効果については科学的な実証例は少ないのが現状です。

歌手や声優で1/fゆらぎを持つ人の例としてウィキペディアでは次の名前を挙げています。
美空ひばり、宇多田ヒカル、松任谷由実、徳永英明、吉田美和。大本眞基子、森本レオ他

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図は上が機械の発する規則的な音。中は管楽器の演奏。下は波の波長です。ちなみに人の鼓動は波の波長に似ているそうです。

1/fゆらぎはいろいろな分野で研究すすめられています。人体や環境分析。さらにミジンコの運動までが分析対象になり、計測ソフトもできています。ただ、計測された波形をフーリエ関数で解析するので数学の知識が必要になります。
ゆらぎには過剰なゆらぎ、適度のゆらぎ、弱いゆらぎがあり、音楽でいえばクラシックは適度なゆらぎ、ロックミュージックは過剰な波形になることが多いようです。

脳波

◆脳波と脳内物質
1/fゆらぎに接していると脳内にアルファー波が流れます。脳波がアルファ波状態になると、β-エンドルフィンというホルモンが脳内に分泌されます。 β-エンドルフィンは、ストレスを低減・解消したり、免疫力を高める脳内麻薬です。他の脳内物質ではベータ波の状態が続くと発生する興奮状態を招くノルアドレナリンやアドレナリン。快感や興奮をもたらすドーパミン等が有名ですが、環境問題に関連して論ずるには問題が複雑すぎるので塾のテーマから除いてあります。脳内物質に関して有名なランナーズ・ハイ(マラソンランナーが長距離走で感じる快感)はエンドルフインまたは脳内麻薬のオビオイドによると考えられています。

「/fゆらぎ⇒アルファー波⇒幸せ感」が田舎ぐらしの方程式であるとしたいところです。

  周波数(Hz) 状態
ベータ(β) 14~30 通常の状態~イライラ状態
アルファ(α) 8~13 楽しい事に没頭している状態。心が落ち着いている状態
シータ(θ) 4~7 熟睡と起きている時との中間の状態
デルタ(δ) 0.5~3 熟睡状態

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色彩

色彩は電磁波のエネルギー。人の感覚と色彩の関係を知り田舎暮らしに役立つ知識とする講座。フィールド調査による裏付けのある調査結果だけをピックアップ。擬似科学的診断等は行いません。
使用する資料は色彩検定(AFT、東商)用に作成したものです。
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森林効果

◇森林セラピー、クナイプ自然療法は田舎ぐらしの効果を維持、増幅させる理論として注目されています。森林セラピー協会やクナイプ療法協会、あるいはこの分野に造詣の深い専門家に学ぶこともできます。
◇森林効果に関して森林セラピー協会から次の調査結果が公表されてます。
私達、田舎暮らしを推奨する立場の者としては、畑や牧場での作業ではこの数値がどうなるか。まず、それが知りたいところです。調査の環境によっても数値は変わるはずなので、その点を専門家の指導を受けつつ勉強を進める予定です。

◆森林セラピーの調査結果(以下は森林セラピー協会の発表の要約です)
◇樹木の発散する化学成分であるフィトンチッドは、森林セラピーロードにおいてイソプレンが最も多く、α-ピネン、カンフェン、β-ピネンなどが検出された。
◇血圧・脈拍測定
収縮期血圧、拡張期血圧、脈拍数はストレスがかかると上昇する。
森林浴で交感神経活動が低下
◇森林部と都市部における心拍変動性(交感神経)の推移。森林浴において、森林は都市に比べ交感神経活動が低下し、ストレスが緩和されていることがわかる。
◇心拍変動性(HRV)
心拍の揺らぎを解析することにより、自律神経活動を副交感神経活動(リラックス時に昂進)と交感神経活動(ストレス時に昂進)に分けて数値化する。
森林浴により抗がんタンパク質が増加する。
◇森林浴による抗がんタンパク質の変化
森林浴によって、グラニュライシン・パーフォリン・グランザイムの主要な3種類の抗がんタンパク質が増加したことがわかる。森林浴によって抗がんタンパク質が増加し、がんに対する抵抗性が高まったことがわかる。
◇森林浴によりNK活性が増強する
森林浴によって、ヒトのNK活性が1日で27%、2日で53%増強されたことがわかる。森林浴によってNK活性が増強し、がんに対する抵抗性が高まったことがわかる。


◆クナイプ療法
ドイツ、オーストリアなどでは森林セラピーとセットで実施されることが多い療法。1800年代の後半にドイツのセバスチャン・クナイプ神父が確立した自然療法。1897年にクナイプ医師会が設立され、1993年にドイツでは「自然療法」が標榜診療となりました。ドイツ・オーストリー等では健康保険・年金保険・介護保険が適用されています。 日本でも、医師がドイツと同様なクナイプ療法医・クナイプ療法士の追加資格を得ることにより、保険による治療が可能です。


クナイプ療法の主な内容
1.水療法 注水、温冷交互浴、清拭、水踏み(水中歩行)、全身浴、3/4身浴、半身浴、座浴、腕浴、脚浴等。
2.運動療法 個人別に運動プランを作りベッドの中、室内、野外(クアパーク)、山歩き、プールなどで行う。乗馬、スキー、サイクリング、ハイキング、ゴルフ、テニス等のスポーツも処方される。
3.植物療法 薬用植物の抽出液を精製した浴用剤や錠剤、薬用植物がお茶や食用として処方される。
4.食療法 予防や治療に対する栄養学的基本を考慮し、一人一人の状況に合わせて食事が処方される。栄養価を損ねないよう調理法や、有機農法による新鮮な野菜や果物、保存料等の使われていない食材が使用される。
5.秩序療法 上記4本の柱の上位概念。規律正しい生活環境への適応が根本理念となっている。

グリーンツーリズムについて

◆グリーンツーリズム
グリーンツーリズムは、1970年代にドイツやフランス、イギリスなどヨーロッパ先進国で、80年代から90年代にかけてヨーロッパ全域に広がった。主な要因は次のとおり。
◇農村経済の落ち込みに伴う農村社会の変化。
◇国民生活における農村観光市場の成長。ただし、それらの施策の背景には環境開発・環境破壊への反省がある。
◇余暇活動の変化。豪華な消費型の余暇活動より農山村部での滞在に期待が寄せられている。
◇農村の深刻な落ち込み。農業収入の落ち込みをカバーするための副業収入への期待が農村ツーリズムの開発と農家の参入を招いている。

以上がグリーンツーリズム発祥の地であるEUの状況であるが、その多くはわが国に当てはまる現象でもある。その中で注目すべきは、今まで施設や設備の豪華さが売り物だったハードツーリズムから人や動物とのふれあいや人間性や暮らしを学ぶ、あるいは振り返る縁としてのソフトツーリズムへの期待が大きくなっている点である。

◆グリーン・ブルーツーリズムの日本の問題点
◇景観について
農魚村の景観は心癒されるほど美しくない。(スラム化が目立つ。廃棄物、コンクリート構造物や電線、電柱ばかりで美しくない)
◇体験作業の受け入れ能力
農家や漁家には、受け入れる時間的余裕がない。専業者も少ないし高齢化が進んでいる。
◇農家、漁家は観光のメリットを感じない。
観光は観光業者や観光農園のためで本来の農山漁村が観光の対象になるという発想が農家・漁家には希薄である。
◇宿泊
安価な滞在型施設が少ないし貧弱である。
◇都市住民の考え方の変化が必要
贅沢な食事や非日常的体験を期待する観光旅行が多い。

タラソテラピー

タラソテラピー〈THALASSO THERAPY・海洋療法〉の語源はギリシャ語のタラッサ〈海〉とテラピー〈療法〉。タラソテラピー(海洋療法)を医療として確立させたのは、生理生物学者のルネ・カントン。1904年、ルネ・カントンは人間の血液が海水と非常に似ている事を発見。血液濃度に調整した海水は血液と置換できることを実証しました。


◆ポール・ヴァレリーの「海への眼差し」から
「海への眼差し」の中でヴァレリーは次の三つの観念が「波と精神」から生まれるとしている。
◇海の擬人化。穏やかだ。狂っている。荒れている。などという生物特有の感情の動きを海に見ているということです◇「逃れる」という観念。潜在的に沖へ向かおうとする心。出発しようとする盲目的な観念が水平線と空を見ていると生まれてくるというもので、人が逃れたいと思うのは繰り返されるものからだけだという事実があるからという考え。


◆海岸の問題点
日本の海岸は美しさでは世界一だ。しかし、不様な構造物や建物がそれを台無しにしている。
・・・世界中を旅してきた随筆家の言葉です。残念ですが、南房総にもそれはある程度当てはまります。海が殆ど見えない海岸の観光道路。廃墟に近い港湾施設が目につく。騒色にあふれた店舗が多い等です。

◆デッサン教室
ふくろう塾での習作です。
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黄金比率の応用実験です。
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デッサンをしている時の心拍数は静かな室内、街中、森の中でもほぼ同じように低下する傾向があります。


アロマテラピー

◆アロマセラピーの指導員による講義、アロマスプレイ作りを実施します。
◆ハーブや薬草の栽培加工も行いますが薬事法に抵触する内容ではありません。
◆下表はアロマセラピーの効用の参考例です。

精油名 抽出部位 一般的な抽出方法 主な作用
イランイラン バンレイシ科 水蒸気蒸留法 鎮静作用、収れん作用、催淫作用
オレンジスイート ミカン科 果皮 圧搾法 食欲増進作用
カモミール・ローマン キク科 水蒸気蒸留法 鎮静作用、鎮痛作用、通経作用
クラリセージ シソ科 葉と花 水蒸気蒸留法 抗うつ食欲増進作用
ビャクダン・サンダルウッド ビャクダン科 心材 水蒸気蒸留法 鎮静作用、強壮作用、消毒作用、抗炎症作用
セイヨウネズ(ジュニパー) ヒノキ科 果実 水蒸気蒸留法 浄化作用、収れん作用、利尿作用
スイートマージョラム シソ科 水蒸気蒸留法 鎮静作用、血圧降下作用
ゼラニウム フウロソウ科 水蒸気蒸留法 ホルモン調整作用、抗うつ作用
ネロリ ミカン科 水蒸気蒸留法 鎮静作用
ペパーミント シソ科 水蒸気蒸留法 殺菌・抗菌作用、健胃作用
ベルガモット ミカン科 果皮 圧搾法 食欲増進作用、抗うつ作用
ユーカリ フトモモ科 水蒸気蒸留法 殺菌作用、消炎作用、鎮痛作用、抗ウイルス作用
ラベンダー シソ科 花と葉 水蒸気蒸留法 鎮静作用、免疫賦活作用、殺菌作用、消毒作用、鎮痛作用
レモン ミカン科 果皮 圧搾法 消毒作用、殺菌作用など
レモングラス イネ科 水蒸気蒸留法 抗うつ作用、食欲増進作用、消炎作用
ローズマリー シソ科 水蒸気蒸留法 利尿作用、刺激作用、頭脳明晰作用、発汗作用

薬草、ハーブのテスト栽培

2011年から下記薬草、ハーブのテスト栽培をしています。参加希望者は体験作業ができます。

品名 生薬名 分類 効果
ベニバナ 紅花(コウカ) キク科ベニバナ属 血行促進
タデアイ   タデ科アイ属  
エビスグサ 決明子 マメ科センナ属 排尿。高血圧
ホーリーバジル   シソ科メボウキ属 頭痛、心臓病
スィートバジル   シソ科メボウキ属  
ワレモコウ 地楡 バラ科ワレモコウ属 収斂
ステビア   キク科ステビア属 整腸、高血圧
ブラックペパーミント   シソ科ハッカ属  

草木染め・媒染

◆紅花染め、藍染め、二藍
2013年は紅花とタデ藍の前年からのテスト栽培を継続。紅花染めと藍染めのイベントも実施します。
2012年には藍の叩き染めを行いましたが、今年は紅花と合わせた二藍染めにもトライする予定です。
紅花染めはピンク系に加え茜色までの染めをトライ、平安時代から江戸時代までの伝統色をテストしています。
えふぶんのいち計画の敷地には等、草木染めの材料が沢山あります。

◆紅花は薬膳料理の材料でもあります。1/f計画でのボランティアでの体験栽培にも参加できます。

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◆草木染め
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平安の染め
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◆媒染
身近な草花で媒染による発色の変化を実験します。

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  • 最終更新:2019-03-08 11:00:25

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